編集グループ〈SURE〉

鶴見俊輔
『アメリカ哲学』

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哲学者・鶴見俊輔(1922-2015)の

思索と行動の原点を刻む最初の主著、

没後10年(2025年)にむけて待望の復刊!

2024年12月上旬刊行予定

定価3,960円(本体3,600円+税)

四六判並製、およそ400ページ

発行・発売 編集グループSURE



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鶴見俊輔『アメリカ哲学』 刊行のごあいさつ

 来たる2025年、哲学者・鶴見俊輔(1922-2015)は没後10年を迎えます。この機会に、私ども編集グループS U R Eは、鶴見さんの最初の主著『アメリカ哲学』(初版1950年、のちに増補)を復刊することにいたしました。

 戦後の連合国軍の占領下に置かれた時代に、27歳の鶴見が発表した本書は、半世紀を超え、さまざまな世代の多くの読者に読み継がれてきました。明晰な言葉づかいによって、鶴見さんの思想と行動の出発点が凝縮された形で語られる、いまでは古典的とも呼びうる著作です。

 本書は、19世紀後半(1870年代)、米国マサチューセッツ州ケンブリッジの街で、チャールズ・パース、ウィリアム・ジェイムズ、オリバー・ウェンデル・ホウムズ(Jr.)といった青年たちがつどう「形而上学クラブ」という私的な集まりのことから語りだしています。やがて「プラグマティズム」として知られる哲学上の考え方は、ここでの自由な討論のなかから生まれ出たものなのでした。

 後年、日米戦争の迫る1930年代後半、鶴見さんも米国の当地に16歳で留学し、ハーヴァード大学哲学科で学びはじめます。日米開戦後には「アナキストの敵国人」として留置場に拘束され、そこの便所で深夜にジェイムズの哲学についての論文を執筆する、という経験もありました。さらに収容所での抑留を経て、彼は「交換船」で戦時下の日本に帰ってきます。このような自身の稀有なる体験も下敷きに、鶴見さんのプラグマティズム理解は、歴史的な広がりを帯びながら深められていきます。

 巻末には、『鶴見俊輔伝』の著者・黒川創による「解説」を新たに加えます。これにより、鶴見俊輔『北米体験再考』(岩波新書)、プラグマティズムの誕生と継承をめぐる米国の精神史『メタフィジカル・クラブ』(ルイ・メナンド著、ピューリツァー賞受賞)、鶴見俊輔『たまたま、この世界に生まれて──半世紀後の「アメリカ哲学」講義』(編集グループS U R E)など、後継の著作や研究成果なども視野に収めて、本書の理解の一助としていただけるかと存じます。

 予約申し込みによるお力添えを、ゆかりの読者のみなさまにお願い申し上げます。

        

2024年 神無月                

編集グループSURE(代表・瀧口夕美)

 

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