北沢街子
『「うつ」のわたしの子育て』
怖くなるときもあった
娘との2人暮らしは、
不安のなかから出発した。
2023年11月中旬刊行
定価1,540円(本体1,400円+税)
四六判変型・並製、96ページ
発行・発売 編集グループSURE
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北沢街子『「うつ」のわたしの子育て』 刊行のごあいさつ
2020年夏、著者は夫と別居して、故郷の京都で2歳8カ月の娘との2人暮らしが始まりました。
特別養子縁組によって出会った新生児の娘。近親者の突然の死。実生活で重なる不安。そして、離婚……。人生のおりおりに続く決断と誤算に、いつしか「抑うつ」症状が昂じていました。それもあり、シングルマザーとしての幼い娘との暮らしは、その出発から、つまずきます。
朝、子どもを保育園に連れていかなければと思うのに、どうしても体をふとんから起こせない。不安に襲われると、体が震える。記憶がたびたび途切れ、失敗が重なる。自分が話したことさえ、記憶から消えている。それが原因で、周囲から不信も買った。料理の手順がわからなくなり、子どもとの食事も、思うように作れない。なのに、絶えず焦燥感に駆られて、体をじっとさせられない。
こうした苦しい時間を過ごすうちにも、娘は、3歳、4歳、5歳と、成長していきます。十分な子育てができていない影響が、子どもにも及ぶのではないかと気になります。
そういうなか、心療内科の先生は、こう言ってくれました。
「私は、午前と夕方の診療のあいだに、少し睡眠を取ることにしています。うちの子どもたちは、それを見ながら育ったから、医者は昼寝もできる気楽な仕事だと言っていますよ。あなたも、起きていられないことなどあまり気にせず、無理にしつけようともしないで、子どもをかわいがってあげたらどうでしょうか」
うつは、なかなか、おさまってはくれません。それでも、だんだんに、子育ての上での「こつ」を身につけ、記憶力なども回復してきたように、著者自身は感じています。
誰にとっても、子育ては大きな事業です。著者の場合は、周囲の助力を得て、なんとか仕事もつづけながら、ここまでを過ごしてきました。文とイラストによる、現在までのささやかな記録です。ゆかりのみなさまに、予約購読のご案内を申し上げます。
2023年 神無月
編集グループSURE
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